Innocent_Mechanical Engineer

機械系エンジニアの雑記です

問題解決のための個人的ノウハウ

 自分の今までの経験から,問題解決のために重要だと思っているノウハウを二つ記載します。ふと,仕事のことを色々考えていて,忘れないうちに言語化しておこうと思ったので,書きます。私エンジニアなので,主に製造現場や設計上で発生する問題の解決方法についてです。

◆ 起きている事実を正確に把握すること。
 私の経験上,何が起きているかを正確に把握すれば,問題はほとんど解決します。事実の把握というやつですね。そこをさぼって,下手にかっこつけて頭の中で要因分析をしようとしても要因を絞れないですし,最悪は,思い込みで実際とは異なることを要因だと特定してしまいます。よく製造業で"3現主義"が大事だと言われる所以だと思います。
 どこまでの事実を把握すれば良いかはセンス,経験,考えが要求されると思います。通常,現場で起きた問題の事象自体は素人でもすぐにわかると思います(例.機器が動かなくなった等)。ただ,機器が動かなくなった原因を知るために,周辺の色んな事実(寸法関係,使用温度/環境,使用手順)を把握する必要がある訳ですが,調べられる事実は無限にあります。限られた時間で必要な事実を調べるためには,能力が要求されると考えています。
 ググってみると,今は3現主義に『原理・原則』を加えた5ゲン主義という考え方が主流みたいですね。これは問題解決に必要な現場・現物・現実を把握し,適切な判断をするために原理・原則を理解していることが重要であるという風に私は捉えました。
 何が言いたいかというと,現場で問題が起きたら,以下のことをしましょう(抽象的すぎますかね..?)。
  ・事実を把握する前に下手に原因分析をしない。
  ・原理/原則を理解して,必要になりそうな事実をある程度思い浮かべたうえで,
  現場に赴き,正確に(←ここ重要)事実を把握して,記録する。  

 経験の浅い若手等が現場に行くことになったら,原因分析よりも,とにかく何が起きたか/今何が起きているかの事実関係を正確に計測して,記録してくることを重視するように伝えますねー。次に書くことにもつながりますが,事実さえ把握していれば,原因分析は人の力を借りることもできます。

 

◆ 解決策は一つではない。色んな解決案を考えること。人の力を借りること。
 状況を整理して,人に相談してレビューしてもらおう!というのここが伝えたいことです。
 私の反省も込めてなのですが,焦ってたり,早く解決しようと思ってたりすると,一つの解決策に固執しがちです。特に自分ができそうな解決策にこだわってしまいます。でも,実際はもっと良い解決案があったりしますし,最悪の場合,間違った方向に進んでしまいます。別の解決案を自分で考えるのも良いですが,周囲に相談すると,同じような経験をしていて良い解決案を教えてくれる場合も多いです。
 人に相談するためには,自分が今何をやっているか整理してまとめる必要があります。それも大事な行為だと思っていて,そうすることで間違いに気づいたり,良いアイディアが思い浮かんだりします。
 

◆ 100%全力で取り組まないこと。
 
なかなか問題解決できないと,焦りますよね。そういうとき,まじめな人ほどたくさん時間をかけて早く解決しなきゃと思いがちですよね。それで実際長時間労働になってしまう。でも,手を抜くべきです。手を抜くというと,語弊があるかもしれませんが,100%全力で取り組んでいると自分がやっていることを客観的に見れなくなるんですよね。そして,問題解決に進んでいるつもりが逆行しているときもあったりします。80%ぐらいの力で取り組んで,第三者目線で自分を見ることも大事です。また,デスクの前から離れて,何気なく考えているときこそ新しい良いアイディアが産まれます。
 ただ,そういう余裕を持つためには,期限に余裕が必要になります。難儀そうな問題は早めに取り組みましょう!

 

 以上,自分の仕事の経験から自戒を込めて大事だと思っていることです。後,自分は全般的に意識しないといけないのは,早く解決しようと思わないことですね。早く解決することを目的にしまうとおかしな方向に進んでしまいます。早く解決するのではなく,時間がかかっても(もちろん期限はありますが),ちゃんと問題を解決して,それが再発しないことを目的に取り組むべきです。何を当たり前のことを思われるかもしれませんが,,自分はいざというとき,この意識が案外難しいです。

 

 最後に唐突ですが,問題解決で昔読んで,素晴らしくわかりやすくて,実践しないとなと思わされた本を紹介します。
 中川邦夫「問題解決の全体観 上下巻」

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4904256026/ref=dbs_a_def_rwt_hsch_vapi_taft_p1_i0