Innocent_Mechanical Engineer

機械系エンジニアの雑記です

【ロンドン科学博物館/蒸気エンジンの歴史②】Trevithick high-pressure engine c.1806(世界初の高圧蒸気エンジン)

前回の投稿に引き続きます。 次に紹介する蒸気エンジンは,リチャード・トレビシックという人が発明しました。 機械エンジニアとして,蒸気エンジンの歴史,技術の歴史を今後も学んでいきたいと思います。

  1. Richard Trevithick (1771-1833)は,初めて高圧の蒸気を使用したエンジニアである。その蒸気は工場,船,鉄道や農業に使用された。この科学博物館に展示されているエンジンは唯一のもので,Trevithickのお気に入りのエンジン組み立て工によって製造された。
  2. ボイラ―は戻り火ボイラーである。火からの煙と高温のガスは煙道を通り,煙突に入る前に折り返す。これにより,周囲の水と接触する伝熱面積を増やすことができ,燃料消費量を節約できる。
  3. 火はボイラ内の水を熱して,蒸気を作り出す。その蒸気はシリンダー内に入りピストンを上下に動かす。ピストンロッドの動きは連結棒に伝えられる。片方はエンジンのフライホイールは直接回転させ,もう片方はクランクを通じて,フライホイールを回転させる。
  4. 蒸気は鋳鉄シリンダの上下の通路を通じて,シリンダから出入りする。四方コックが上下の通路の連結を制御することで,シリンダの蒸気の出入りを制御している。
  5. 赤矢印はシリンダに入る蒸気,青矢印はシリンダから出る蒸気を示している。コックが四分の一回転したときにシリンダからの出入りの接続を交換する。
  6. コックの次の回転はシリンダの下部に接続を交替する。これにより,ピストンの上昇運動と下降運動(蒸気の排出)を生み出す。
  7. シリンダから排出された蒸気は煙突に入る前に支給水ヒータを通る。そこでは,排出された蒸気はボイラに入る前の水を予熱するために使用される。そして,蒸気は煙突を上昇する途中で,エンジン燃焼室の方に吸気される。それにより,燃焼効率が上がる。

https://www.youtube.com/watch?v=WDaDUEQMbwI