Innocent_Mechanical Engineer

機械系エンジニアの雑記です

【エネルギーのお話】CO2超臨界発電 Allam cycle

最近MITのテクノロジーレビューを購読しはじめたのだが,気になった記事があった。

https://www.technologyreview.com/s/608755/potential-carbon-capture-game-changer-nears-completion/

エネルギーのゲームチェンジャーになり得るCO2超臨界発電が建設間近

記事に書いてある通り,主にアメリカの会社が関わっているが,東芝もタービンの開発などに携わっている模様。

従来のCO2回収(地中に埋めるやアミンによる化学吸収)は,通常の火力発電に回収装置などの追加が発生するため,必然的に通常の発電所よりもコストアップになる。

しかし,このCO2超臨界発電(アラムサイクル)は,従来,タービンを回すのに使用していた蒸気(水)の代わりにCO2を使用する(燃料は主に天然ガス)。

発電後に排出されるCO2は基本的に発電のために再利用されるし,余ったCO2も濃度が高いためそのままEORに使用できる。

そのため,通常の火力発電所と比較しても,コストは上がらないらしい。

$140 million(150億円)で5万kW(50MW)ということなので,天然ガス火力発電所とコストを比較してみた。

http://blogs.itmedia.co.jp/serial/2011/08/post-b226.html

上記サイトによると,85万kWの最新天然ガス火力発電所の建設費が約500億円である。

単純計算だと,CO2超臨界発電で同じ規模を作ったら2550億で5倍の費用である。ただ,規模の経済があるので同規模のを作ったら,2倍の費用ぐらいで済むか?

それで,CO2の排出もゼロに近いなら,確かに悪くない気がする。それに,NetPowerのサイトによると最新の天然ガス火力発電と比較してもわずかながら熱効率もいいみたいである。

結構,有望な気がするので,今後の動向に注視していきたい。技術についても論文などをもう少し調べてみようと思う。