Innocent_Mechanical Engineer

機械系エンジニアの雑記です

【データ分析セミナー参加】株式会社 Sassor / IoTと人工知能によるサービス活用事例

大学の時に少しインターンをさせてもらっていた会社のIoTと人工知能に関するセミナーに参加した(https://atnd.org/events/83434#)。

株式会社 Sassorがどんな会社かは,ホームページ(https://sassor.com/)を見てもらえればわかるので詳細は書きません。ただ,電力見える化など以外にも,貸自転車事業のためのスマートロックや姿勢矯正のためのスマートベルトを開発していることを今回のセミナーで初めて知った。

1. IoT領域におけるシステム構築  最初は,使用電力のデータ分析方法についての技術的なお話し。正直,私は未経験なのであまり理解はできなかった。ただ,データ分析の手法やツールについて概要を知れて良かった。以下は私の備忘録も含めて内容を簡単に...。あまり詳しくないので,間違ったことを書いていたらごめんなさい。

■IoTによるデータ分析の流れは,「センサか集めた電力/ヘルスデータetc. ⇒ 大規模IoTプラットフォーム ⇒ 自社プラットフォーム」。大規模IoTプラットフォームは必ずしも自分たちで開発する必要はない。"見える化"の部分が最終的な目的でサービスの核となる部分。自社プラットフォームで限られたデータを扱い,サービスに特化する。

■IoTの特徴 ・データは時系列 ・1ユーザ当たりのデータが多い ・トランザクション処理はあまりない ・書き込みは一定(ユーザ数,デバイス数から予測可能) ・読み込みは不定(ユーザ特性による)

AWSにおけるDBの選定などについて ・使用電力量を定期的に受信して分析する上で,AWSにおけるDBとして適切なのは,RDSとDynabo DBである。 ・完全マネージド型が魅力であるDynabo DBを使用してみた。しかしながら,1ユニットの読み/書き込みに課金される方式であり,1ユニットの読み込みを減らする工夫をしてみたが, リアルタイム性が失われたり,十分なコストダウンができなかった。結論としては,RDSの方がベターである。 ・リアルタイムデータはインメモリデータベースで扱うが,データ量が多いと負荷が大きくなるので,レポート自動作成用の読み取り専用のデータベースを別途用意している。

2. IoTと人工知能によるサービス実例 ■まず,講演者の方の経歴が興味深かった。元々建築畑で一級建築士もお持ちの方で,いまはバリバリデータ分析をされている。後々の話で,3~4年でデータ分析も業務上問題ないレベルになられたとのこと。私も専門が○○だからとかではなく,自主的に勉強して技術を身に着けたい。

Microsoft azureの画像認識による年齢診断サービスを紹介して,わかりやすく人工知能の例を説明されていた。https://how-old.net/ をやってみたが,妻より私の方が年齢が上だと診断されてショック....。

人工知能/データ分析は大きく別けて3種類のタイプがある。"数値系"と"画像系"と"・・・"。すみません,3つ目のタイプを忘れました。いずれにせよ,Sassorが得意なのはかっちりとした数値系。

■Sassorが手掛けている様々なサービスのご紹介。以下は例である。自分がインターンさせてもらっていたときと比べて,開発しているサービスがめちゃくちゃ多くてびっくりした。 ・バッテリーの最適充放電算出API。 ・TANZEN(姿勢矯正のベルト)⇒ フーリエ変換で各行動の特徴量を作る(教師あり学習)。 ・Wio Linkの紹介。センサをつけるだけで簡単にIoTのプロトタイプを作れるらしい。 ・太陽光パネルの故障検知。予測発電量に対して,実発電量に差があればアラートを出す(カーネル密度推定法,Auto Encoder)。 ⇒ 予測発電量をどのように推定しているのかわからなかった。過去の実績?or 天気予報? ・工場での不良品の目視検査を自動化する。

当たり前かもしれないけど,IoT/人工知能を使って色んなサービスが考えられる。ただ同時に,統計学の専門用語も出てきたように,その辺りの学習も必要だと感じた。ただ,それはやりたいことを実現する上で必要があれば勉強すればいいのかなと思った。そうじゃないと,いくら時間があっても足りない...。

3. IoT領域における人工知能活用の現状とこれから 内容も面白かったけど,何より発表の仕方がすごかった。文章では伝わらないけど,とにかく本当に仕事が好きで楽しんでいるのが伝わってきた。常識には問われない発表で聞く方も本当に魅入られた。人工知能についてもっと勉強するきっかけになった。

■人口知能の研究の二つの立場 ・人間の知能そのものをもつ機械を作ろうとする立場(強いAI) ・人間が知能を使ってすることを機械にさせようとする立場(弱いAI) Sassorが取り組んでいるのは後者の方。

■赤ちゃんと人工知能について 赤ちゃんがやっていることは人工知能に近い。五感(IoT)を使って,ママがミルクをくれることを学習(強化学習)し,ママが好きになる。だけど,ママという存在を認識しているわけではない。認識できる物体(人)が何度も報酬をくれることを学んでいる。

■IoTの"個別から全体最適へ" ・個別の最適化はそれほど難しくない。例. お父さんを認識する ⇒ お父さんはいつも冷房を18℃に設定することを学習 ⇒ お父さんが来たら冷房を18℃にする。(Googleに買収されたNestもこんな感じ) ・複数の人(エージェント)が入ってくると難しい。上の例で言うと,お父さんとお母さんが一緒にいる場合は力関係が強いお母さんに冷房設定を合わせる。お父さんしかいないときは18℃にするけど,お母さんが帰ってくるときはまた設定を変える。こういうことができるか?ということ。一杯データが入ってきたときに全体最適が難しい。 ・目的関数を設定して,サービスして何をやるのか決める。 ・膨大なデータによるディープラーニングはインフラ側を巨大企業(Google,Amazon, Microsoft etc.)や共○党に抑えられている。勝てる訳がない。 パーソナライズ/個別対応で勝負する。 ・ミドルデータ/スモールデータで勝負する。ボトムアップ型のデータはある(これから取る場合も)けど,何をすればいいかわからないというニーズに対して,データの特徴を見ながらサービスを考える。 ・Edge AI:データ処理をクラウドではなく,端末側で行う。

以上が内容の概要。あまり,詳しい話はついていけなかったが,勉強するきっかけになった。自分で早くプロダクトを作ろう...。