Innocent_Mechanical Engineer

機械系エンジニアの雑記です

ロンドンにまた行きたい / 「THE MOST POWERFUL IDEA IN THE WORLD」

ついに大作を読み終わりました!William Rosen著作の"The Most Powerful Idea in the World: A Story of Steam, Industry, and Invention"です。ビルゲイツ氏が2013年にお勧めしていた本の中の1冊です(ビル・ゲイツ氏が選ぶ「2013年に読んだ記憶に残る7冊の本」 - GIGAZINE)。

全部英語で単語も難しいので、我ながらよくよみきったと思います。ただ、難しすぎて、正直、理解できたのは6割ぐらいかな。もう1回ぐらい読まないときちんと消化できないと思います。ちなみに、日本語訳はありません。誰か書いてくれるとありがたいですが。

ゲイツ氏は、ロンドン科学技術博物館に行って蒸気機関に興味を持って、この本を読み始めたらしいです。私も新婚旅行で、ロンドン、そして科学技術博物館に行きました。(新婚旅行で科学技術博物館!?というツッコミはなしでお願いします、すでに妻には怒られています。)素晴らしい場所でした。さすが産業革命が起こった地だけあって、蒸気機関の歴史の変遷を模型と映像でわかりやすく詳しく紹介しています。この本でも、ロンドン科学博物館の話がちょくちょく出てきます。という訳でまたロンドンに行って、科学博物館とかに行きたいと思った次第です。

前置きが長くなってすみません。本の内容としては、産業革命の内容と要因、そしてなぜイギリスから発祥したかを詳細に説明しています。ニューコメンエンジン登場以前の種々の蒸気機関からジョージ・スチーブンソンの蒸気機関車に至るまで、種々の蒸気機関の技術的な内容や発明の内容を説明しています。ただ、ここはもう少し図や写真を活用してほしかった...。この本は難しい内容で、図や写真はほばなく、ほぼ全て文章で説明しています。正直、文章で説明されてもよくわからないことも多々あり、ネットで調べながら読み進めました。色んな偉人が色んな発明をしているわけですが、本当に感服するばかりです。当時、熱力学の基礎も確立されていない中で、経験とセンスで役に立つ工学的な発明をしているのがすごい。私は現代の技術の知識を持っていても、同じような発明ができる気がしない...。印象的なのは、当時の発明家はほとんどが最初は、工場などで職人の見習いとして手を動かす仕事をキャリアとしてスタートしていることです。やはり直接手を動かすことが、センスを磨くことにつながるのでしょうか...?現代は、完全に分業が進んでしまっていますが、エンジニアも手を動かす経験は必要だと考えます。

さて、産業革命の時代、数多くの発明がされ、産業が発展したわけですが、その大きな要因は、”特許制度の確立"であるとこの本は結論付けています。特に機械製品はものさえあれば、リバースエンジニアリングが容易なわけです。そんな中、発明をしてもパクりが横行して発明者は旨味がないわけで、特許制度のおかけで発明者が発明/工夫するモチベーションが沸き、産業革命に至ったという訳です。本の中では、法律論も含めて、このあたりも詳しく説明しているのですが、私の説明はこの程度で勘弁してください...。

いずれにせよ、この本を読み切った自分を褒めてあげたい。蒸気機関と熱力学をもっと勉強したいと思わせるきっかけにもなりました。蒸気機関について、このブログでも紹介していこうかなー。

f:id:kalpas:20190125001129j:plain