Innocent_Mechanical Engineer

機械系エンジニアの雑記です

【書評】当時の戦いはなぜ非難されないどころか美化されるのか? / 三国志 (吉川英治作)

 ついに三国志を読破しました。長かったです。通勤中にたまに読んでいただけなこともあり,1年以上はかかりました。

 正直,序盤はあまり面白さがわかりませんでした。しかも,登場人物が多すぎる小説は,私は誰が誰だかわからなくなってしまい,苦手なので,途中で挫折しそうになりました。それでも,後半の方は戦闘の駆け引きが面白く,読み終えることができました。

 ただ,読了して疑問に思ったことがあります。三国志は結局,人と人の殺し合いの戦争の話なのに,良くなかったよねという話になぜならないのでしょうか?それどころか,ゲーム等色んな方面でコンテンツ化されており,武将達もそれぞれかっこいい存在として扱われ,当時の争い自体は肯定されている気がします。一方,近代の第1次/2次世界大戦等は一般的に人類の負の歴史であり,過ちであると捉えられていると思います。また,タイムリーな話だとロシアのウクライナ侵攻は非難されています。

 これについて数日色々考えてしまいましたが,普通に誰でも思うであろう理由,"時代が違うから"に集約されちゃうと思いました。三国志や日本の戦国時代のようなことが近代で起きれば,当然,非難の対象になると思います。武力によって権力を掌握しようとしたり,領土を拡大しようとすることは現代ではあってはならないとされ,そういうことが国際法という形でも明文化されているのだと思います(全く詳しくありませんが..)。それが人類が歴史を経て進化してきた点だと考えます。三国志の時代にそんな決まり事はないですし,生きていくために戦う以外の手段が現代と違って相当限られています。話す言語が違ったら話し合いで解決なんて当然成立しない時代ですし,食糧やエネルギーも限られていた時代でしょう。なので,三国志時代の争いを非難するのはお角違いなのは納得します。物語として楽しみ,勝たなきゃ言葉通り死ぬという状況で勝つために頭脳と戦闘力を駆使した武将達から学びを得ましょう!

 私が仕事等をする上で個人的に学んだことは以下です。まあ,三国志なんか読まずとも当たり前のことかもしれませんが...。そのように感じた詳しいエピソードは省略します。

 ・自分の考えやアウトプットは本当にそれで良いのか疑い続けること。特に,いい考 
  えが思いついたとかとかうまくいってると思っているときほど危険なので,,本当           
  に大丈夫か疑うこと。

 ・人から言われてやることでも,目的を必ず理解すること。なんでそれをやる必要が  

  あるのか考えること。考えてもわからなければ聞く。

 ・組織運営するうえで人事は最重要項目である。

 ⇒ 個人的にはあまり興味もないし,くだらないと思っていたのですが,会社の上の人           たちにとって人事が最大関心事な理由をなんとなくは理解することができました。
   勝敗は人事でほとんど決まると言って過言ではなさそうです。。

 

以上です。